「英語を話す前に考え込んでしまって言葉が出てこない」
「自分が話そうとするときの大きな間が気になって、結局言い出せずに終わる」
「瞬間英作文の効果とやり方を知りたい」
こんな悩みを抱えるスピーキングが苦手な初心者のために、英語が話せない原因を深堀りしつつ、瞬間英作文の効果ややり方を解説します。
カナダに渡って最初のころは、私も英語が話せず黙ってしまうことばかりでした。
しかし、ここからスピーキング練習をはじめて2ヶ月後には、語学学校でプレゼン特訓コースを取得できるようになっていました。
英語がまったく話せなかった初期に、一番行っていたことは何だったか思い返してみると、それは瞬間英作文だったのです。
一度コツがわかるとスピーキング力はうなぎ登りに向上し、6ヶ月経つ頃には、私はカナダの現地発飲食店の接客に立てるまでになっていました。
スピーキング初心者の話す力を高めるのに、まず取り組むべきなのが瞬間英作文だと思います。
瞬間英作文を正しくおこなって、言いたいことをパッと言える英語力を鍛えていきましょう。
瞬間英作文の効果
瞬間英作文を練習すると、スピーキング基礎力を鍛えることができ、初心者の人でも言いたいことがパっと言えるようになります。「流暢」になるための入り口のような練習法ですね。
流暢に話せる人には英語脳が身についています。英語脳とは、英語を英語のまま処理でき、話す・聞くときに日本語を介さないことをいいます。
これを身につけるにはどうすればいいのか?分解すると以下のような感じです。
瞬間英作文は、このような流暢に話すのに必要な英語脳の下地をつくってくれます。これが発展していくと英語脳として、ペラペラと話せるようになっていきます。
スピーキング力をぐんぐん伸ばす最初のトレーニングとして最適なのです。
英語脳については「英語脳の作り方 | 大人からでもペラペラになるための2つの勉強法を解説」で解説します。
英会話力に必須の瞬間英作文とは
瞬間英作文とは、日本文を瞬間的に短い英文にして発話する学習法のことです。
基本的に、中学レベルの簡単すぎるくらいの英文で練習します。
一瞬で英語に直すことにフォーカスするため、高校英語のようなむずかしい英文は必要ありません。
英文は以下のような中学文法レベルの簡単なものでOKです。複雑なものは必要ありません。
Ken likes to watch TV.
Ken is taller than Yumi.
Reading books is important.
なぜなら、英語話者はみんなこのような英語をベースに話しているからです。意外かもしれませんが、これで十分、英会話はなりたちます。
ですが、英会話が苦手な人は、まだこのレベルですらパッと出てこないのです。
だからパッと出るように練習しよう、というのが瞬間英作文です。
私の場合は日々、語学学校で先生や友人と会話をするなかで、瞬間英作文を実践・練習していました。
でも初心者で「まだ自力で作文するのがむずかしい」と思う人は「瞬間英作文トレーニング」シリーズの参考書を使うとよいですね。
瞬間英作文を繰り返すと、英会話初心者がうまく話せない以下の原因をつぶしていくことができます。
英語が話せない原因
そもそも、なぜ初心者は英語を話すのがむずかしいと感じてしまうのでしょうか。
英会話の、特に初期段階においては、文法的に完璧な長文を組み立てて話すなんて不可能です。でもわりとみんなやってしまいがち。
ネイティブの日本語で考える高度な文章を、初級の英語力で表現できるわけがないのです。英語力に見合った簡単な英文で表現すれば解決できます。
たとえば、
もしお金があれば、その本を買えたのに。
If I had had money, I could have bought the book.
上記の英文、さらっと出てきますか?むずかしいはずのに、このような文を一生懸命話そうとするからうまく話せないんです。
なので、瞬間英作文で短く簡単にしましょう。
その本を買えなかった、なぜならお金がなかったから。
I couldn’t buy the book because I didn’t have money.
これなら中学英語レベルで簡単じゃないですか?
このように発想を転換し、どんな英文でも言えるようにするのが瞬間英作文です。
英会話なので考え込まず、テンポよくお互い話すのが基本。そのためには文章をシンプル化して、使い慣れた表現のストックを増やしておくと瞬発力が高まります。
話すために必須の力と言えます。スピーキング学習のはじめの段階で集中的に取り組んでいきましょう。
瞬間英作文の効果が出るまでの期間
ではどのくらいで効果が現れ始めるのでしょうか。
これは1日の学習時間によってかなり差がでますが、カナダの語学学校で毎日英語漬けだった私でも、短い英文をパッと言い出せるようになるまで2ヶ月はかかりました。
最初の1ヶ月は言葉に詰まりながら、言いたいことをできる限りシンプル化する練習期間でした。
なので早くて2ヶ月、日本で仕事をしながらスキマ時間などに勉強する人はそれ以上を目安に考えると良いでしょう。
瞬間英作文の効果的なやり方
日本語で心に浮かんだことを話そうとしても、うまく英語にまとまらず話せないという思いをした人は多いはず。その対処法を紹介します。
ここでは書籍の「瞬間英作文」シリーズに頼らずできる、私がカナダで実践していた瞬間英作文の方法です。
この方法はある程度、基礎英語力のある人におすすめです。TOEICでいうと500点以上が目安です。500未満ならまず、基礎学習からするのがよいです。
今回は例として
「私は、京都から来た弟を迎えに駅に行った。」
という文でやってみます。
初心者がやってしまうミスが、この一文をまるごと頑張って訳してしまうこと。いつもどおり考え込んでしまい、最終的にこんがらがって「上手く話せない」という気持ちになるだけです。
下記の考え方に沿って分解し、短く簡単にしていきましょう。
ステップ①:話のコアを抜き出す
まずは話のもっとも主となる部分を考えます。上の例文では
・京都から来た弟?
・弟を迎えに行った?
・私は駅に行った?
のどれかになります。
今回は「私が駅に行った」という話ですよね。
これがこの話のコアになります。
ステップ②:補足要素を整理する
「私は駅に行った」に対する他の文の関係を考えます。
なぜ駅に行った? | 弟を迎えに行くために |
弟はどんな人? | 京都から来た弟 |
これらの補足が足されていますね。
「私は駅に行った。(なぜ?)弟を迎えに。(どんな人)京都から来ている。」
これを英訳していきます。
ステップ③:短文で英語にする
以下の通りです。
ここで3つの英文ができあがりました。一つひとつはとても簡単でシンプルで、練習すればパッと言えそうなレベルですよね。
実際の英会話シーンでは、この簡単な英文を3つ話せばもう100点です。
「え、これでいいの?」と思うかもしれませんが、これが第2言語の人のための英会話です。
英語が話せないと思う人は、考え込んで長い一文をひねり出せずに終わります。
海外に出て英語初心者からぐんぐん成長する人は、この短い英文を使って会話のリズムに乗ることができ、将来的に流暢になっていきます。
ステップ④:必要に応じて英文をつなげる
ネイティブや上級者になってくると、瞬時にこれらの英文をつなげて話すことができるようになります。
これは初心者のうちは考えなくてOKです。数年後、英会話に余裕が出てきたらできるようになるので心配いらないです。
ステップ⑤:長期的に反復練習する
この方法で文章をシンプルに短くしていけば、必ずすらすら話せるようになります。
あとは完全に使いこなせるようになるまで、1,000回、10,000回と素振りを繰り返しましょう。長期的に見ていないと絶対にできるようにはなりません。
瞬間英作文を効果的にできる教材
基本的には上記のやり方で自力で英作文をすれば、英会話力は確実に上がります。自身の実体験で効果は確認済みです。
ですが、「やっぱり何も見ないので英作文はむずかしい」という人は、瞬間英作文を効率的に練習するために特化した教材を使うと良いと思います。
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」シリーズは2006年の発売から50万部を売り上げる人気の参考書。
中学レベルの英文法で反射的にシンプルな英文が言えるようになるためのトレーニングができます。いくつかシリーズが出ていますがまずは以下の青いバージョンがおすすめ。
中学レベルが使いこなせれば、海外旅行でも十分英会話を楽しむことができます。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
中学の学年ごとに分けて、文法項目ごとに英作文の練習ができるようになっているので、頭の中を体系的に整理することができます。
実際私が英語を話すときも、中学レベルの英文法を多用しているます。
なので、この一冊の内容は絶対に極めるべきですし、これだけでも瞬間英作文に関しては十分だと思います。
スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング
上の「どんどん話す」が文型ごとに体系的にまとまっているのに対して、こちらは文型ごとにまとまっていないタイプです。
文型がシャッフルされていたり、組み合わせられています。
自分でどの英文法を当てはめるか考えながらやるので、より実践的な練習ができます。
ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス
肯定文を疑問文に変えたり、英単語を別のものに入れ替えるなどして練習できるバージョンです。
日本語文に頼らず練習したいという方におすすめの構成になっています。
おかわり!シリーズ
上記シリーズをやり尽くしたという人のためのおかわり用です。
もう少し練習したい、というときに使うと良いです。
これらはアプリ版も出ています。
>iPhone
>Android
書籍のあとは実践練習へ
瞬間英作文の書籍は5周以上繰り返して、まずは瞬発力を鍛えましょう。
ですが、それだけでは、書籍内の英文しか言えるようになりません。
身の回りのことを自由に話せるようになるには、自分ごとに置き換える練習も必要です。
書籍をやり終えたら、学んだ構文の単語を置き換えて、自力でオリジナル英文をつくる練習に移行します。
応用練習もやることで英語を使う力が伸びてきます。
「書籍→応用」はセットで考える必要があります。
瞬間英作文は効果ない?という意見
スピーキング力を高めるために瞬間英作文の力は必須だと思います。
ですが、あまり意味がないという声もあるので考えてみました。
上達しないなら5周以上繰り返そう
「瞬間英作文」の書籍は、初めから終わりまで一通りやり終えたら英語力UP、というわけにはいきません。
スポーツと同じように、無意識に口からでるくらい体に馴染ませないと実践でスラスラ話せるレベルにはなれません。
一周だけやって上達しなくても当然なので、5周以上繰り返すようにしましょう。
しかし、回答をまるまる覚えてしまったあとは繰り返しても意味ないので、このあと紹介する独り言へ移行します。
日本語から訳す練習なんて意味ない?
日本語を介して練習してても意味ないのでは?
たしかに英語だけで考える英語脳は必要です。でもそれは中級者向けの話。
英会話初心者は、いきなり日本語抜きで学習するのはムリがあります。
何事も自分のレベルにあった段階を踏むのが大切なので、まだまったく話せないという人はこの瞬間英作文から取り組むべきです。
瞬間英作文の次のステップは?
まったく英語が浮かんでこない初心者にとって、瞬間英作文は救世主的トレーニング方法となります。
でも、これはスピーキングのメインの練習法ではありません。あくまで全く話せない人の入り口のエクササイズなんです。
数ヶ月続けて慣れてきたら、次のステップへと移りましょう。
スキマ時間に英語で独り言をしつつ、その英語がちゃんと通じるか人と話してチェックを繰り返していきます。
いつでもできる独り言ならスピーキングの練習量を確保でき、人との英会話で実践練習をして、流暢に話せる力を身につけるためです。
一人で素振りをして、練習試合で力をつけるようなイメージですね。
私はこれらを1年以上やり続けたことで、日本語を介さず英語だけで考えてスラスラ話せる英語脳が身につきました。
人と話すときは、外国人の友人がいればベストです。
でもそういった友人がいない場合や、毎週末話すことができない人が多いかもしれません。
そんなときは、月たった6,480円で話し放題のネイティブキャンプがおすすめです。
サービスの詳細はこちらの記事で紹介しています。
>英語初級者必読!スピーキング力に直結する独り言のやり方を解説
まとめ:瞬間英作文は効果的!スピーキングが苦手な人のためのやり方5ステップ解説
いかがでしたか?
瞬間英作文で学習すると、スピーキングが苦手な人に足りない「瞬発力」「使える単語力」「英文のシンプル化」などの力を鍛えることができます。
その結果、言葉が詰まって話せなかった自分が、スラスラと英語を発することができるようになります。
以下の手順に沿って英作文することで、英文を組み立てやすくなり、スムーズさも良くなっていきます。
瞬間英作文を徹底的に練習できたら、実践で英語を話せるレベルにするために英語の独り言を行うことも忘れないでくださいね。
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